要点
- 命題は真偽を判定できる文・式。
- p\Rightarrow q が真なら、pはqの十分条件、qはpの必要条件。
- 命題とその対偶は同値。
解説
命題では、「正しいかどうか」を曖昧にせず扱います。必要条件・十分条件は、集合の包含関係で見るとかなり分かりやすくなります。
1. 命題とは
命題正しいか、正しくないかをはっきり判定できる文や式。
具体例
「x=2 ならば x²=4」は真偽を判定できるので命題です。
一方、「数学は面白い」のように人によって判断が変わる文は、ここでいう命題としては扱いません。
2. p ⇒ q を集合で見る
「pならばq」が真であるとは、pを満たすものが必ずqも満たすということです。
p ⇒ q が真であるとき
p の集合が q の集合にすっぽり入っていれば p ⇒ q。
3. 必要条件と十分条件
p ⇒ q が真なら、p は q の十分条件、q は p の必要条件です。
具体例
x=2 なら必ず x²=4 なので、前者は後者の十分条件です。しかし x²=4 からは x=−2 もあり、逆は成り立ちません。
4. 対偶
直接証明しにくい命題では、対偶を証明する方が簡単なことがあります。
例題・練習
例題で解法を確認し、続く練習問題で同じ型を解く。
例題 1
命題の真偽
次の問いに答えよ。
-
(1)
x=2\Rightarrow x^2=4
-
(2)
x^2=4\Rightarrow x=2
-
(3)
n\text{ が4の倍数}\Rightarrow n\text{ は2の倍数}
指針
反例が1つあれば命題は偽。
模範解答を見る
(1)
\text{真}
(2)
\text{偽}\quad(x=-2\text{ が反例})
(3)
\text{真}
練習 1
真偽
-
(1)
x>3\Rightarrow x>1
-
(2)
x^2=9\Rightarrow x=3
-
(3)
n\text{ が偶数}\Rightarrow n^2\text{ は偶数}
解答を確認
(1)
\text{真}
(2)
\text{偽}
(3)
\text{真}
例題 2
必要条件・十分条件
次の問いに答えよ。
-
(1)
p:\ x=2,\quad q:\ x^2=4
-
(2)
p:\ n\text{ は4の倍数},\quad q:\ n\text{ は2の倍数}
指針
p⇒q と q⇒p をそれぞれ調べる。
模範解答を見る
(1)
p\Rightarrow q\text{ は真},\ q\Rightarrow p\text{ は偽。よってpはqの十分条件}
(2)
p\Rightarrow q\text{ は真},\ q\Rightarrow p\text{ は偽。よってpはqの十分条件}
練習 2
必要・十分
-
(1)
p:\ x=1,\quad q:\ x^3=1
-
(2)
p:\ n\text{ は6の倍数},\quad q:\ n\text{ は3の倍数}
解答を確認
(1)
\text{必要十分条件}
(2)
p\text{ は }q\text{ の十分条件}
例題 3
対偶
次の問いに答えよ。
-
(1)
p:\ n\text{ は奇数},\quad q:\ n^2\text{ は奇数}
指針
p⇒q の対偶は ¬q⇒¬p。
模範解答を見る
(1)
n^2\text{ が偶数}\Rightarrow n\text{ は偶数}
練習 3
対偶を書く
-
(1)
x>0\Rightarrow x+1>1
解答を確認
(1)
x+1\le1\Rightarrow x\le0
節末問題
例題の型を意識せず、自分で方針を選んで解く。
-
(1)
x=3\Rightarrow x^2=9\text{ の逆を書き真偽を判定}
-
(2)
4\text{の倍数であることは2の倍数であるための何条件か}
-
(3)
p\Rightarrow q\text{ の対偶を書け}
答えを確認
(1)x^2=9\Rightarrow x=3\text{。偽。}
(2)\text{十分条件}
(3)\neg q\Rightarrow\neg p
解説を見る
(1)
x=-3\text{ が反例なので、逆命題 }x^2=9\Rightarrow x=3\text{ は偽。}
(2)
4\text{の倍数}\Rightarrow2\text{の倍数}\text{ は真。逆は偽。したがって十分条件。}
(3)
p\Rightarrow q\text{ の対偶は }\neg q\Rightarrow\neg p.