Σ すたまな
第3章 二次関数|第26節

放物線の平行移動

y=x2 を右や左、上や下へ平行移動したとき、式がどう変わるかを調べます。まず頂点の移動を見て、一般の y=f(x) の場合まで扱います。

35〜45分 | 平行移動・頂点・軸・変数置換
y=(x−2)2 は、なぜ「右に2」なのでしょうか。式には「−2」とあるのに、向きは右です。

x−2=0 となるのは x=2 です。ここで2乗部分が0になり、頂点のx座標が2になります。

横は括弧の中、縦は式の外

y=a(x−p)2+q
頂点と軸
頂点 (p,q)、軸 x=p。
y=ax2 を右へp、上へqだけ動かした形です。
y=(x−3)2

頂点 (3,0) → 右へ3

y=(x+3)2

x−(−3) と見て頂点 (−3,0) → 左へ3

平行移動では係数 a は変わりません。放物線の形を保ったまま、位置だけが変わります。

y=x²を右へ2、上へ1平行移動したグラフ移動前の放物線を灰色の破線、移動後の放物線を黒い実線で示し、頂点が原点から2,1へ移る。 xyO21y=x²y=(x−2)²+1頂点 (2,1)
破線の y=x2 を右へ2、上へ1動かすと、頂点は (2,1) になります。

頂点形式から読む

例題1y=−2(x+3)2+5

頂点 (−3,5)、軸 x=−3。a<0なので上に凸。

例題2y=(x−4)2−2 は y=x2 からどう動いたか

右へ4、下へ2。頂点 (4,−2)。

y=f(x) の平行移動

f(x) は、x を使った式をひとまとめに表す記号です。たとえば f(x)=x2+2x−1 なら、f(x−3) は式のすべての x を x−3 に置き換えたものです。

グラフ y=f(x) をx方向にp、y方向にqだけ平行移動すると、移動後の点 (x,y) は、移動前では (x−p,y−q) に対応します。

y−q=f(x−p)
式で符号が逆になる理由

移動後の座標から移動量を引くと、移動前の座標に戻ります。そのため右へp移動した場合は x−p、上へq移動した場合は y−q を元の式に入れます。

一般形を指定量だけ平行移動する

例題3y=x2+2x−1 を右へ3、下へ2

右へ3なのでxをx−3に、下へ2なので y+2 を元のyに対応させます。

y+2=(x−3)2+2(x−3)−1
y+2=x2−4x+2
y=x2−4x

移動後は y=x2−4x。

頂点でも確かめる(次節へのつながり)

一般形を頂点が読める形に直す「平方完成」は次節で学びます。ここでは、下の括弧を展開すると元の式に戻ることを確かめてください。

元の式は y=(x+1)2−2 なので頂点は(−1,−2)。右3・下2の移動後は(2,−4)です。求めた式 y=(x−2)2−4 の頂点と一致します。

条件に合う方法を選ぶ

移動量を求める

まず二次の係数が同じかを確認します。頂点が読める形なら、移動後の頂点から移動前の頂点を引きます。一般形から頂点を求める方法は次節で学びます。

移動後の式を求める

y−q=f(x−p) を使って置き換えます。

x−p のpは頂点のx座標

括弧の中を0にする

x−p=0 となるのは x=p です。したがって y=a(x−p)2+q の頂点は(p,q)です。

1. y=(x−5)2 の頂点。

答え

(5,0)

2. y=(x+2)2+3 の頂点と軸。

答え

頂点 (−2,3)、軸 x=−2

3. y=−(x−1)2−4 のグラフは下に凸・上に凸のどちらか。

答え

上に凸。

4. y=2(x−3)2+1 は y=2x2 をどう移動したものか。

答え

右へ3、上へ1。

5. 頂点が (4,−2)、a=1 の式。

答え

y=(x−4)2−2

6. 頂点が (−1,3)、a=−2 の式。

答え

y=−2(x+1)2+3

7. y=3(x+4)2 の軸。

答え

x=−4

8. y=−(x−2)2+7 の頂点。

答え

(2,7)

9. y=x2−4x+1 を右へ2、上へ3動かした式。

答え

考え方:右へ2なので x−2 を元の式のすべての x に入れ、上へ3なので式全体に3を足します。

y=(x−2)2−4(x−2)+4=x2−8x+16

10. y=2x2+1 を左へ1、下へ4動かした式。

答え

考え方:左へ1では x+1 に置き換え、下へ4では式全体から4を引きます。定数部分は 1−4=−3 です。

y=2(x+1)2−3

平行移動の要点