Σ すたまな
第3章 二次関数|第46節

二変数・置換と最大最小

二つの文字が自由に動けるのか、条件式で結ばれているのかを確かめます。平方完成・文字の消去・置換を使い、最大値や最小値をとる元の変数まで求めましょう。

応用 | 40〜50分 | 二変数・消去・置換
実数 x,y が x+y=6 を満たすとき、x2+y2 の最小値は 0 でしょうか。

x2+y2=0 には x=y=0 が必要ですが、それでは和が 6 になりません。まず、条件を満たす値を確かめましょう。

二つの平方を同時にゼロにする

まず、x と y が互いに関係なく、すべての実数をとれる場合を考えます。次のように二つの文字の項が分かれていれば、それぞれ平方完成できます。

例題1条件式のない最小値

x2+y2−2x+4y+8 の最小値と、そのときの x,y を求めます。

x2+y2−2x+4y+8
=(x2−2x)+(y2+4y)+8
=(x−1)2+(y+2)2+3

二つの平方はどちらも 0 以上です。x=1,y=−2 なら、両方を同時に 0 にできます。

最小値は 3。x=1,y=−2 のときです。

xy の項を含む式では、x の項と y の項を単純に分けられません。一方の文字に着目して平方完成し、残る式も整理します。どの場合も、平方を同時に 0 にできるかが大切です。

和の条件で一方の文字を消す

冒頭の x+y=6 に戻ります。y=6−x を代入すると、x だけの二次式になります。

x2+y2
=x2+(6−x)2
=2x2−12x+36
=2(x−3)2+18

平方の項が 0 になるのは x=3。条件式に戻すと y=6−3=3 です。

x=y=3 のとき、最小値 18 をとります。

この問題には符号や区間の制限がないので、x はすべての実数をとれます。符号条件がある問題では、消去した文字の条件も移します。

消去した文字の条件も残す

例題2和が一定の二数の積

非負の実数 x,y が x+y=10 を満たすとき、xy の最大値・最小値と、そのときの x,y を求めます。

範囲を求める

y=10−x とおきます。y≥0 より 10−x≥0、すなわち x≤10。x≥0 と合わせて、

0≤x≤10

一変数の二次関数に直す

積を z=xy とおくと、

z=x(10−x)
=−x2+10x
=−(x−5)2+25

次の図は横軸が x、縦軸が積 z です。範囲内の頂点と両端を比べます。

積z=x(10−x)の最大値と最小値 xとyは非負、x+y=10。横軸x、縦軸z=xy。0以上10以下の放物線は、頂点(5,25)で最大値25、両端(0,0)と(10,0)で最小値0をとる。 xz O510 25(5, 25) z=−(x−5)²+25
0≤x≤10 の部分を描いています。頂点は最も高く、両端では積が 0 になります。

元の変数に戻す

x=5 では y=10−5=5。両端 x=0,10 では、それぞれ y=10,0 です。いずれも非負の条件を満たします。

最大値 25 は x=y=5 のとき。

最小値 0:(x,y)=(0,10),(10,0)。

一変数にして平方完成する

例題3係数の違う和の条件

実数 x,y が x+2y=8 を満たすとき、x2+y2 の最小値と、そのときの x,y を求めます。

y=8−x2 を代入します。この問題にも符号や区間の制限はありません。

x2+y2
=x2+(8−x)24
=5x2−16x+644
=54(x−85)2+645

平方の項が 0 となる x=85 のとき、条件式から y=165 です。

最小値は 645。x=85,y=165 のときです。

新しい文字の範囲を求める

同じ式のまとまりが現れるときは、新しい文字に置き換えます。見た目が四次式でも、t=x2 とおくと t の二次式として扱える場合があります。

例題4置換して最大・最小を求める

−1≤x≤2 のとき、y=x4−4x2+3 の最大値・最小値と、そのときの x を求めます。

置換後の範囲

t=x2 とおきます。区間内に x=0 があるので、t の最小値は 0。最大値は x=2 のときの 4 です。

0≤t≤4

区間の両端だけを二乗して 1≤t≤4 とするのは誤りです。0≤x≤2 の部分だけでも、t は 0 から 4 までのすべての値をとれます。

置換後の二次関数

y=t2−4t+3
=(t−2)2−1

次の図の横軸は x ではなく t です。頂点 t=2 は範囲内にあり、両端 t=0,4 での値はどちらも 3 です。

置換後のy=(t−2)²−1を0以上4以下で調べる 横軸t、縦軸y。0以上4以下の範囲で、頂点(2,−1)が最小、両端(0,3)と(4,3)が最大。元の変数はt=x²、−1以上2以下である。 ty O24 3−1 (2, −1) y=(t−2)²−1
横軸 t の範囲は 0≤t≤4。ここで求めた t を、最後に x へ戻します。

元の範囲で答えを選ぶ

最小となる t=2 から、x2=2、x=±2。このうち −2<−1 なので、元の範囲に入るのは x=2 だけです。

最大となる t=0,4 から、x=0,±2。x=−2 は範囲外なので、x=0,2 が残ります。

最大値 3 は x=0,2 のとき。

最小値 −1 は x=2 のときです。

文字を消しても条件は消えない

消去では、消した文字の条件を残る文字で表します。置換では、新しい文字がとれる範囲を求め直します。最大・最小を求めたら元の変数に戻し、元の条件を満たす値だけを答えます。

最大・最小の問題では、そのときの変数の値も答えましょう。

1. 実数 x,y について、x2+y2−4x+2y+8 の最小値を求めよう。

答えを見る

(x−2)2+(y+1)2+3 と変形できます。

最小値 3。x=2,y=−1 のとき。

2. x+y=8 から y を x で表そう。

答えを見る

y=8−x

3. 実数 x,y が x+y=8 を満たすとき、x2+y2 の最小値を求めよう。

答えを見る

x2+(8−x)2=2(x−4)2+32。x=4 を条件に戻すと y=4 です。

最小値 32。x=y=4 のとき。

4. x+y=4、x≥0,y≥0 のとき、x の範囲を求めよう。

答えを見る

y=4−x≥0 より x≤4。また x≥0。

0≤x≤4

5. x+y=4、x≥0,y≥0 のとき、xy の最大値・最小値を求めよう。

答えを見る

xy=−(x−2)2+4、0≤x≤4 です。

最大値 4 は x=y=2 のとき。

最小値 0:(x,y)=(0,4),(4,0)。

6. 実数 x,y が x+2y=10 を満たすとき、x2+y2 の最小値を求めよう。

答えを見る

y=10−x2 を代入すると、x2+y2=54(x−2)2+20。

最小値 20。x=2,y=4 のとき。

7. −2≤x≤1 で t=x2 とおくとき、t の範囲を求めよう。

答えを見る

x=0 で最小値 0、x=−2 で最大値 4 です。両端の二乗だけで決めないこと。

0≤t≤4

8. −2≤x≤1 のとき、y=x4−2x2+2 の最大値・最小値を求めよう。

答えを見る

t=x2 とおくと 0≤t≤4、y=(t−1)2+1。最小は t=1、最大は t=4 のときです。

t=1 から x=±1 はどちらも範囲内。t=4 から x=±2 のうち、範囲内なのは x=−2 です。

最大値 10 は x=−2 のとき。

最小値 1 は x=−1,1 のとき。

式・範囲・元の変数をつなぐ

  • 独立な二変数では平方完成し、平方を同時にゼロにできるか確かめる。
  • 条件式による消去では、消す文字の条件も移す。
  • 置換したら新しい文字の範囲を求め、最後に元の変数へ戻す。