式の見方と整理
高校数学では、計算を始める前に「どんな項が並んでいるか」を見るだけで、式の扱い方がかなり分かるようになります。
中学では、文字式の計算や展開・因数分解を学びました。高校では計算が少し複雑になるだけでなく、式の形を見て、どこに注目するかを決める場面が増えていきます。
同じ種類としてまとめられる部分は、どことどこでしょうか。
「+」「」で区切ると、式の構造が見える
数や文字、およびそれらの積として表される式を単項式といいます。単項式の和として表される式が多項式です。多項式を加法の形で見たとき、一つ一つの単項式を項といい、負の符号もその項に含めます。
同じ文字を同じ次数でもつ項を同類項といいます。同類項どうしは、係数を計算して一つの項にまとめられます。
式を見たら、まず「何次の項があるか」「同類項はどれか」を確認します。左から順番に手を動かすより、先に式を分類した方がミスが減ります。
項・係数・次数
項
多項式を加法の形に見たときの一つ一つのまとまりです。
係数
単項式の数の部分です。
項の次数
その単項式に含まれる、すべての文字の指数の和です。
多項式の次数
整理した後に残る0でない項のうち、最も高い次数です。
例えば は4つの項をもちますが、次数は3です。
「について見る」と、ほかの文字は係数になる
文字が2種類以上ある式では、「どの文字について考えるか」で式の見え方が変わります。
| 見方 | 結果 |
|---|---|
| すべての文字を合わせた次数 | |
| についての次数 | |
| の係数 |
を主役にすると、 は「数と同じように固定されたもの」として扱います。
| について | 該当する部分 | 係数 |
|---|---|---|
| 2次の項 | ||
| 1次の項 | ||
| 定数項 |
この見方は、後で複雑な式の因数分解をするときに重要になります。どの文字を主役として整理するかで、見えなかった共通因数が見えることがあります。
降べきの順に並べる
ある文字について、次数が高い項から順に並べることを降べきの順に整理するといいます。
単なる見た目の問題ではありません。最高次数、同類項、因数分解の型などが見つけやすくなります。
次の多項式を について降べきの順に整理し、次数を答えてください。
次の式を整理して次数を答えてください。
答え:、1次式。
整理する前だけを見て「2次式」と決めてはいけません。最高次の項が打ち消し合うことがあります。
手を動かして確認する
1. を整理してください。
問1の答えを見る
2次、1次、定数の項をそれぞれまとめます。
2. の次数と、 について見た次数を答えてください。
問2の答えを見る
すべての文字を合わせると、指数の和は です。 について見るときは、 の指数だけを見ます。
次数: / についての次数:
3. を について見たとき、 の2次の項・1次の項・定数項を答えてください。
問3の答えを見る
を含まない は、 については定数項です。
2次の項: / 1次の項: / 定数項:
4. を整理し、次数を答えてください。
問4の答えを見る
後ろの括弧を外すとき、全項の符号が変わります。
、1次式
- 単項式の和として表される式が多項式。多項式は、まず項に分けて見る。
- 同じ文字を同じ次数でもつ同類項はまとめられる。
- 項の次数はすべての文字の指数の和、多項式の次数は整理後に残る最高次数。
- 「について見る」ときは、以外の文字を係数として扱う。
- 降べきの順に整理すると、式の構造が見やすくなる。
式が見えたら、次は計算する
この節では、多項式を「どんな項からできているか」という視点で見ました。次節では、多項式どうしの足し算・引き算・掛け算を扱います。括弧や符号でミスをしないためにも、今回の「項として見る」考え方をそのまま使います。