Σ すたまな
第2章 集合と命題|第19節

命題とは何か

正しいか正しくないかをはっきり判定できる文を命題といいます。条件と「ならば」を使った命題の真偽を考えます。

20〜25分 | 命題・真偽・反例

集合で条件を満たす範囲を表したら、次は「その条件なら別の条件も必ず成り立つか」を判定します。

実数 x について、「x2=4 ならば x=2」は真でしょうか。すべての場合を調べます。
真を示す
仮定を満たすすべての場合で結論が成り立つことを示す
偽を示す
仮定を満たすのに結論が成り立たない反例を一つ示す
この問いの反例
x=−2 なら x2=4 ですが、x=2 ではありません。

真か偽かを判定できる文

「2は偶数である」は真、「5は偶数である」は偽です。このように真偽をはっきり決められる文を命題といいます。

一方、「この問題は難しい」のように判断が人によって変わる文は、数学でいう命題ではありません。

「pならばq」

条件 p を満たすすべての場合に q も成り立つとき、命題

p⇒q

は真です。

たとえば整数 n について、

nが4の倍数⇒nは偶数

は真です。

一つ見つかれば命題は偽

「実数 x について、x2>1 なら x>1」という命題を考えます。

x=−2 とすると、x2=4>1 ですが x>1 ではありません。

したがってこの命題は偽です。この x=−2 のような例を反例といいます。

p⇒q が真である条件

pを満たすもの全体をP、qを満たすもの全体をQとします。

p⇒q が真であることは、Pのすべての要素がQに含まれることと同じです。

P⊂Q
例題実数xについて「x>3 なら x2>9」

x>3 なら両辺は正なので、2乗して x2>9。したがって真です。

例題2実数xについて「x2=4 なら x=2」

x=−2 が反例なので偽です。

命題の仮定を満たす全場合を考える

「整数nについて、nが偶数ならn2も偶数」という命題は、偶数であるすべてのnについて結論が成り立つ必要があります。

n=2k と書けば、

n2=4k2=2(2k2)

なので、どの偶数nでもn2は偶数です。

真を示す場合と偽を示す場合

命題が偽であることは反例を一つ示せば十分です。一方、真であることを具体例を数個挙げるだけでは証明できません。

文字を使って一般に示す必要があります。

1. 整数nについて「nが6の倍数ならnは3の倍数」。

問1の答えを見る

考え方:n=6kと書けばn=3(2k)となるため、必ず3の倍数です。

真。

2. 実数xについて「x>0ならx2>0」。

問2の答えを見る

考え方:正の実数を2乗すると正のままなので、仮定を満たすすべての場合で成り立ちます。

真。

3. 実数xについて「x2>4ならx>2」。

問3の答えを見る

考え方:x=−3は仮定x2>4を満たしますが、結論x>2を満たさない反例です。

偽。x=−3が反例。

4. 整数nについて「n2が奇数ならnは奇数」。

問4の答えを見る

考え方:nが偶数ならn2も偶数なので、その対偶として命題が成り立ちます。

真。

5. 「反例」とは何か。

問5の答えを見る

考え方:仮定は満たすが結論を満たさない例が、偽であることを決める反例です。

命題の仮定を満たすが結論を満たさない例。

6. 「実数xについてx2≥0」は真か。

問6の答えを見る

考え方:実数の平方は、正・負・0のいずれを2乗しても0以上です。

真。

7. 命題が真であることを示すのに、具体例を3個確認するだけで十分か。

問7の答えを見る

考え方:具体例が何個成り立っても、未確認の場合が残るため全体の証明にはなりません。

不十分。仮定を満たすすべての場合について示す必要がある。

  • 命題は真偽を判定できる文。
  • p⇒q は、pを満たすすべての場合にqも成り立つとき真。
  • 偽であることは反例を一つ示せば分かる。