命題とは何か
正しいか正しくないかをはっきり判定できる文を命題といいます。条件と「ならば」を使った命題の真偽を考えます。
集合で条件を満たす範囲を表したら、次は「その条件なら別の条件も必ず成り立つか」を判定します。
真か偽かを判定できる文
「2は偶数である」は真、「5は偶数である」は偽です。このように真偽をはっきり決められる文を命題といいます。
一方、「この問題は難しい」のように判断が人によって変わる文は、数学でいう命題ではありません。
「ならば」
条件 を満たすすべての場合に も成り立つとき、命題
は真です。
たとえば整数 について、
は真です。
一つ見つかれば命題は偽
「実数 について、 なら 」という命題を考えます。
とすると、 ですが ではありません。
したがってこの命題は偽です。この のような例を反例といいます。
が真である条件
を満たすもの全体を、を満たすもの全体をとします。
が真であることは、のすべての要素がに含まれることと同じです。
なら両辺は正なので、2乗して 。したがって真です。
が反例なので偽です。
命題の仮定を満たす全場合を考える
「整数について、が偶数ならも偶数」という命題は、偶数であるすべてのについて結論が成り立つ必要があります。
と書けば、
なので、どの偶数でもは偶数です。
真を示す場合と偽を示す場合
命題が偽であることは反例を一つ示せば十分です。一方、真であることを具体例を数個挙げるだけでは証明できません。
文字を使って一般に示す必要があります。
1. 整数について「が6の倍数ならは3の倍数」。
問1の答えを見る
考え方:と書けばとなるため、必ず3の倍数です。
真。
2. 実数について「なら」。
問2の答えを見る
考え方:正の実数を2乗すると正のままなので、仮定を満たすすべての場合で成り立ちます。
真。
3. 実数について「なら」。
問3の答えを見る
考え方:は仮定を満たしますが、結論を満たさない反例です。
偽。が反例。
4. 整数について「が奇数ならは奇数」。
問4の答えを見る
考え方:が偶数ならも偶数なので、その対偶として命題が成り立ちます。
真。
5. 「反例」とは何か。
問5の答えを見る
考え方:仮定は満たすが結論を満たさない例が、偽であることを決める反例です。
命題の仮定を満たすが結論を満たさない例。
6. 「実数について」は真か。
問6の答えを見る
考え方:実数の平方は、正・負・0のいずれを2乗しても0以上です。
真。
7. 命題が真であることを示すのに、具体例を3個確認するだけで十分か。
問7の答えを見る
考え方:具体例が何個成り立っても、未確認の場合が残るため全体の証明にはなりません。
不十分。仮定を満たすすべての場合について示す必要がある。
- 命題は真偽を判定できる文。
- は、を満たすすべての場合にも成り立つとき真。
- 偽であることは反例を一つ示せば分かる。