Σ すたまな
第1章 数と式|第15節

絶対値を含む方程式・不等式

絶対値は数直線上の距離です。図で範囲を確かめてから式に戻すと、内側と外側の違いがはっきりします。

25〜35分 | 距離・数直線・場合分け

絶対値を距離として読み、不等式を範囲として表すと、絶対値を含む不等式を図と式の両方で考えられます。

|x−3|<2 と |x−3|>2 では、答えが中心の内側と外側に分かれます。どちらが内側でしょうか。
距離が2より小さい1<x<5
中心3の内側
距離が2より大きいx<1 または x>5
中心3の外側

|x−3| は、x と3の距離

|x−3|=2 は、「3からの距離が2である点」を表します。

3からの距離が2となる点は1と53からの距離が2となる点は1と5。左右の矢印はそれぞれ長さ2を表す。135x223から左右に2だけ離れた点
|x−3|=2⇒x=1,5

「2より近い」は内側

|x−3|<2 なら、x は3から2より近い位置にあります。

|x−3| < 2|x−3| < 2。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。135x|x−3| < 21 < x < 5
3を中心に、距離2より内側だけが解です。
|x−3|<2⇔1<x<5

「2より遠い」は外側

|x−3|>2 なら、3から2より遠い位置です。

|x−3| > 2|x−3| > 2。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。135x|x−3| > 2x < 1 または x > 5
中心から外側へ分かれるので、答えは2つの範囲になります。
|x−3|>2⇔x<1またはx>5

「または」は、左右の条件のうち、どちらか一方を満たせばよいことを表します。

中心が0でも、中心がずれていても同じ

a>0 のとき、距離の図から次が分かります。

|x|<a⇔−a<x<a
|x|≤a⇔−a≤x≤a
|x|>a⇔x<−aまたはx>a

中身が一次式でも同じ形にする

例題 1|3x−2|≤4 を解く。
−4≤3x−2≤4
−2≤3x≤6
−23≤x≤2
例題 2|2x+1|>5 を解く。
2x+1<−5または2x+1>5
x<−3またはx>2
解の範囲解の範囲。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。−32x解の範囲x < −3 または x > 2

絶対値の中身の符号で場合分けする

|x−1|≤x+2 は、右辺が定数ではないので、x=1 を境に場合分けします。

x≥1
x−1≤x+2

常に成り立つので、この場合は x≥1。

x<1
−x+1≤x+2
x≥−12

場合分けの条件と合わせて −12≤x<1。

2つを合わせると、

x≥−12

絶対値は必ず0以上

|x−1|=−2

距離が負になることはないので、解なし。

|x−1|≥−2

左辺は常に0以上なので、すべての実数。

距離と式を対応させる

1. |x|=4

問1の答えを見る

考え方:0からの距離が4になる点は、4と−4の二つです。

x=±4

2. |x−2|≤3

問2の答えを見る

考え方:2からの距離が3以下なので、2−3から2+3までの内側を取ります。

−1≤x≤5

3. |x+1|>2

問3の答えを見る

考え方:−1からの距離が2より大きいので、境界−3と1の外側を取ります。

x<−3 または x>1

4. |2x−3|=7

問4の答えを見る

考え方:中身が7の場合と−7の場合に分け、それぞれ一次方程式を解きます。

x=5,−2

5. |x+2|<4

問5の答えを見る

考え方:−2からの距離が4より小さいので、−6と2の間を取ります。

−6<x<2

6. |x+3|=−1

問6の答えを見る

考え方:絶対値は必ず0以上なので、−1になる実数はありません。

解なし。

7. |3x−2|≤4

問7の答えを見る

考え方:−4≤3x−2≤4と直し、三つの辺へ同じ操作を行います。

−23≤x≤2

8. |x−4|>3

問8の答えを見る

考え方:4からの距離が3より大きいので、1と7の外側を取ります。

4から3より遠いので、x<1 または x>7。

  • |x−a| は、数直線上で x と a の距離。
  • 「距離が小さい」は中心の内側、「距離が大きい」は外側。
  • 右辺が正の定数なら、距離から範囲を読める。
  • 右辺にも文字がある場合は、絶対値の中身の符号で場合分けする。