対偶を使った証明
命題 を直接示しにくいとき、同値な対偶 を証明する方法があります。
元の命題と対偶は常に同じ真偽になります。この性質を使うと、直接示しにくい命題を別の向きから証明できます。
が偶数 が偶数
が奇数 が奇数
元の命題と対偶は同値
命題 と、その対偶 は常に同じ真偽になります。したがって、対偶を証明すれば元の命題も証明できます。
が偶数ならは偶数
整数について、
を示します。対偶は、
です。
が奇数なら、ある整数を用いて と書けます。
は整数なので、は奇数です。よって対偶が真であり、元の命題も真です。
結論の否定が具体的になるときに使いやすい
「が偶数」から の形を直接決めるのは簡単ではありません。一方、「が奇数」は と書けるので計算できます。
対偶を使うかどうかは、どちらの仮定が式にしやすいかで判断します。
対偶は「またはが偶数ならは偶数」です。
が偶数なら と書けるので、 は偶数です。が偶数の場合も同様です。
したがって対偶が真なので、元の命題も真です。
が3の倍数ならも3の倍数
対偶「が3の倍数でないならも3の倍数でない」を示します。
3の倍数でない整数は、ある整数を用いて または と書けます。
どちらも3で割ると余り1なので、は3の倍数ではありません。したがって元の命題は真です。
対偶を示していることを明記する
答案では「対偶を示す」と書いたうえで、対偶の仮定から結論までを示します。最後に「よって対偶が真なので、元の命題も真」と結びます。
1. 「が3の倍数ならは3の倍数」の対偶を書く。
問1の答えを見る
考え方:結論を否定して仮定側へ移し、仮定も否定します。
が3の倍数でないならは3の倍数でない。
2. 「が偶数ならまたはが偶数」の対偶を書く。
問2の答えを見る
考え方:「またはが偶数」の否定は「がともに奇数」です。
がともに奇数ならは奇数。
3. 奇数の平方が奇数になることを式で示す。
問3の答えを見る
考え方:奇数をとおいて2乗し、整数の形へ整理します。
とおけば 。
4. 「なら」の対偶を答える。
問4の答えを見る
考え方:結論の否定を仮定にし、元の仮定を否定した形を結論にします。
または なら 。
5. 対偶による証明が元の命題の証明になる理由。
問5の答えを見る
考え方:元の命題と対偶は同値なので、対偶が真なら元の命題も真です。
元の命題と対偶は常に同値だから。
6. のとき を3で割った余りを求める。
問6の答えを見る
考え方:を2乗し、3の倍数の部分と余りの部分に分けます。
1。
7. 「が奇数ならはともに奇数」を対偶で証明するとき、対偶を答える。
問7の答えを見る
考え方:結論「とも奇数」を否定すると「またはが偶数」になります。
またはが偶数ならは偶数。
- と は同値。
- 結論の否定を仮定すると具体的な式が作れる場合、対偶が有効。
- 整数の偶奇・倍数の証明でよく使う。