Σ すたまな
第1章 数と式|第13節

一次不等式

方程式との違いは、答えが「1つの値」ではなく「範囲」になることです。計算と数直線を対応させながら、不等号の扱いを確認します。

25〜30分 | 不等式の意味・不等号の反転・一次不等式

絶対値で数直線上の距離を見たように、不等式では数直線上の範囲を読みます。

−2x<6 の両辺を −2 で割るとき、なぜ不等号を逆向きにする必要があるのでしょうか。
−2<1
両辺に−1を掛ける
→
2>−1
左右の順序が反転

x<4 は、4より左のすべての数

方程式 x=4 の解は1つですが、不等式 x<4 の解は、4より小さい実数すべてです。

x < 4x < 4。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。4xx < 4
端の4を含まないので、4の位置は○で表します。
端を含まない端を含む

何をしてもよいか

両辺に同じ数を足したり引いたりしても、大小関係は変わりません。正の数を掛けたり割ったりするときも同じです。

a<b⇒a+c<b+c
a<b,c>0⇒ac<bc

なぜ不等号が逆向きになるのか

2<5 の両辺に −1 を掛けると、2と5は原点をはさんで反対側へ移ります。

2と5に−1を掛けると原点について対称な−2と−5になる2と5に−1を掛けると原点について対称な−2と−5になる。上下の数直線は同じ目盛。原点からの距離を保ち、左右が入れ替わる。もとの位置025×(−1) で原点について反転反転後0−5−2
2は5より左ですが、反転後は−2が−5より右にあります。
2<5⇒−2>−5
負の数を掛ける・割るとき
a<b,c<0⇒ac>bc

計算して、最後に範囲を読む

例題 13x−5<7 を解く。
3x−5<7⇒3x<12⇒x<4

最後に3で割っています。3は正なので、不等号の向きはそのままです。

x < 4x < 4。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。4xx < 4
例題 2−2x+3≤9 を解く。
−2x≤6

ここで両辺を −2 で割るため、不等号を逆向きにします。

x≥−3
x ≥ −3x ≥ −3。白丸は端点を含まず、黒丸は含む。斜線は求める範囲を表す。−3xx ≥ −3

正の数を掛けて分母や小数を消す

例題 3x−12−x+13>1

両辺に6を掛けます。6は正なので、不等号の向きは変わりません。

3(x−1)−2(x+1)>6
x−5>6⇒x>11

x が消えたら、残った文の真偽を見る

すべての実数
2(x+1)<2x+5
2<5

常に真なので、すべての実数が解です。

解なし
3x+4<3x+1
4<1

常に偽なので、解はありません。

計算と範囲を結びつける

1. 5x−3>12

問1の答えを見る

考え方:定数項を右辺へ移し、最後に正の数5で割ります。

x>3

2. −3x+2≤11

問2の答えを見る

考え方:−3x≤9まで整理したあと、負の数−3で割るため不等号を逆向きにします。

x≥−3。最後に負の数で割るので向きを反転します。

3. 2(x−4)<3x+1

問3の答えを見る

考え方:左辺の括弧を外すと2x−8<3x+1です。両辺から2x+1を引くと、−9<xになります。

x>−9

4. x−13≥2

問4の答えを見る

考え方:両辺に正の数3を掛けて分母を消し、x−1≥6を解きます。

x≥7

5. 0.4x−1.2<0.8

問5の答えを見る

考え方:両辺を10倍して小数を消してから、通常の一次不等式として解きます。

x<5

6. x+22≤x+83

問6の答えを見る

考え方:正の数6を掛けて分母を消すと、3(x+2)≤2(x+8)になります。

x≤10

7. 4(x−1)>4x−7

問7の答えを見る

考え方:両辺から4xを引くと文字が消え、常に成り立つ不等式だけが残ります。

−4>−7 は常に真。したがって、すべての実数。

8. 2(x+1)≤2x−3

問8の答えを見る

考え方:両辺から2xを引くと文字が消え、成り立たない不等式が残ります。

2≤−3 は偽。したがって、解なし。

  • 不等式の解は、条件を満たす実数の範囲として表す。
  • 負の数を掛けたり割ったりすると、不等号の向きが逆になる。
  • <,> の端点は○、≤,≥ の端点は●で数直線に表せる。
  • x が消えた場合は、残った不等式が常に真か偽かを判断する。