必要条件・十分条件
2つの条件の間にどちら向きの「ならば」が成り立つかを調べると、必要条件・十分条件を判断できます。
命題の真偽を判定できたら、「ならば」がどちら向きに成り立つかを必要条件・十分条件の言葉で表します。
は の十分条件
は の必要条件
が成り立つとき
2つの条件 、 について、命題
が真であるとします。このとき、 は であるための十分条件、 は であるための必要条件といいます。
は の十分条件
は の必要条件
たとえば実数 について、
ならば なので、 は真です。したがって、 は であるための十分条件です。
一方、 なら です。 の場合があるので、 は偽です。
両方向が成り立つ場合
と がどちらも真なら、 と は互いに必要十分条件です。この関係を
と書きます。
なら であり、 なら です。
したがって、2つの条件は必要十分条件です。
必要条件・十分条件の問題では、 と を別々に調べます。成り立たない向きは、反例を1つ挙げれば否定できます。
2つの命題の真偽と、 の位置づけを整理すると次のようになります。
条件を満たす範囲で考える
条件 を満たすもの全体を 、条件 を満たすもの全体を とします。
が真であることは、「 を満たすものはすべて も満たす」ということなので、
となります。
たとえば、実数 について
なら、 を満たす範囲は を満たす範囲に含まれます。したがって、 は の十分条件です。
2つの向きを調べる
整数 について、
とする。 は の何条件か。
12の倍数は必ず4の倍数なので、 は真です。
逆は成り立ちません。たとえば は4の倍数ですが12の倍数ではありません。
したがって、 は の十分条件ですが、必要条件ではありません。
実数 について、
とする。 は の何条件か。
の方程式を因数分解すると、
よって は偽です。 が反例になります。
一方、 なら を満たすので、 は真です。
したがって、 は の必要条件ですが、十分条件ではありません。
実数 , について、
とする。 と の関係を答えよ。
実数では 、 です。その和が0になるには、、すなわち でなければなりません。したがって は真です。
また、 なら なので も真です。
よって、 と は必要十分条件です。
集合の包含関係から文字の範囲を求める
実数 について、
とする。 が の十分条件となるような実数 の範囲を求めよ。
が の十分条件であるためには、
が常に成り立つ必要があります。集合で見ると、
となればよいので、境界 は3以上でなければなりません。
したがって、答えは です。
必要・十分・必要十分を判定する
1. 実数 について、:、:。 は の何条件か。
問1の答えを見る
考え方:は成り立ちますが、はで成り立たないため、十分条件だけです。
十分条件ですが、必要条件ではありません。 は が反例です。
2. 実数 について、:、:。 と の関係を答えてください。
問2の答えを見る
考え方:どちらの条件もまたはを表すので、両方向の命題が成り立ちます。
必要十分条件。どちらも を表します。
3. 整数 について、: は6の倍数、: は3の倍数。 は の何条件か。
問3の答えを見る
考え方:6の倍数は必ず3の倍数ですが、3の倍数が必ず6の倍数とは限りません。
十分条件ですが、必要条件ではありません。逆は が反例です。
4. 実数 について、:、:。 は の何条件か。
問4の答えを見る
考え方:には、にはという反例があるため、どちら向きも成り立ちません。
必要条件でも十分条件でもありません。 は 、 は が反例です。
5. 実数 , について、:、:。 は の何条件か。
問5の答えを見る
考え方:なら平方も等しいですが、平方が等しくても符号が反対の場合があります。
十分条件ですが、必要条件ではありません。 は , が反例です。
6. 実数 について、:、:。 は の何条件か。
問6の答えを見る
考え方:はを意味するのでは従いますが、逆には反例があります。
十分条件ですが、必要条件ではありません。 なら なので 。逆は が反例です。
7. 実数 について、:、: とする。 が の十分条件となる の範囲を求めてください。
問7の答えを見る
考え方:を満たす範囲がを満たす範囲に含まれるよう、二つの境界と5を比べます。
。{| が {| に含まれればよい。
必要条件・十分条件の判定
- が真なら、 は の十分条件、 は の必要条件。
- と がともに真なら、 と は必要十分条件。
- 命題が偽であることは、反例を1つ示せば確認できる。
- 条件を満たす集合を考えると、 は と対応する。