第2章 集合と命題|第21節
条件の否定
条件や命題の否定は、元の内容が成り立たない場合を正確に表します。不等号や「かつ・または」の否定を整理します。
前の節から
条件同士の関係を正しく調べるには、その条件が成り立たない場合を表す「否定」が必要です。
まず考えてみよう
条件 の否定は でしょうか。境界の も元の条件を満たさないことに注意します。
元の条件
否定
境界の3を含みます
否定
「ではない」を表す
条件 の否定を と書きます。たとえば、
の否定は、
です。 ではなく、 も含めます。
不等号の否定
境界を含むかどうかが変わる
基本
の否定:
の否定:
の否定:
の否定:
の否定:
の否定:
の否定:
の否定:
かつ・または
ド・モルガンの法則
例題
範囲の否定
例題1
の否定
元の条件は「 かつ 」です。
例題2
または の否定
「すべて」と「ある」
量を表す言葉の否定
「すべての実数について が成り立つ」の否定は、「が成り立たない実数が少なくとも一つある」です。
逆に「を満たす実数が存在する」の否定は、「どの実数もを満たさない」です。
集合との関係
否定は補集合に対応する
条件 を満たすもの全体を とすると、 を満たすもの全体は の補集合です。
たとえば全体集合を実数全体とし、: とすると、の範囲の外側が否定になります。
例題3
二つの条件を含む否定
例題
「 かつ 」の否定
練習問題
1. の否定
問1の答えを見る
考え方:に含まれない範囲をすべて取ると、5を含まないになります。
2. の否定
問2の答えを見る
考え方:元の区間の左外側と右外側を取り、各境界を含むかも反転させます。
または
3. 「 かつ 」の否定
問3の答えを見る
考え方:「両方とも正」でないのは、少なくとも一方が0以下の場合です。
または
4. 「 または 」の否定
問4の答えを見る
考え方:「1または2」のどちらでもないため、二つの不一致を「かつ」で結びます。
かつ
5. 「すべての整数について」の否定を文で表す。
問5の答えを見る
考え方:「すべて成り立つ」の否定は、「成り立たないものが少なくとも一つある」です。
となる整数が少なくとも一つ存在する。
6. 「ある実数について」の否定。
問6の答えを見る
考え方:「ある実数で成り立つ」の否定は、「すべての実数で成り立たない」です。
すべての実数について。
7. 「 または 」の否定。
問7の答えを見る
考え方:「または」の否定なので二条件をそれぞれ否定し、「かつ」で結びます。
かつ 。
まとめ
- 不等号の否定では等号を含むかどうかも変わる。
- 「かつ」の否定は「または」、「または」の否定は「かつ」。
- 「すべて」の否定は「成り立たないものが存在する」。
前後の節