Σ すたまな
第2章 集合と命題|第21節

条件の否定

条件や命題の否定は、元の内容が成り立たない場合を正確に表します。不等号や「かつ・または」の否定を整理します。

20〜25分 | 否定・ド・モルガンの法則

条件同士の関係を正しく調べるには、その条件が成り立たない場合を表す「否定」が必要です。

条件 x > 3 の否定は x < 3 でしょうか。境界の x = 3 も元の条件を満たさないことに注意します。
元の条件
x > 3
否定
x ≤ 3
境界の3を含みます

「pではない」を表す

条件 p の否定を p ‾ と書きます。たとえば、

p : x > 3

の否定は、

p ‾ : x ≤ 3

です。x<3 ではなく、x=3 も含めます。

境界を含むかどうかが変わる

基本
x>a の否定:x≤a
x≥a の否定:x<a
x<a の否定:x≥a
x≤a の否定:x>a

ド・モルガンの法則

p かつ q ‾ ⇔ p ‾ または q ‾
p または q ‾ ⇔ p ‾ かつ q ‾

範囲の否定

例題1 1<x≤4 の否定

元の条件は「x>1 かつ x≤4」です。

x ≤ 1 または x > 4
例題2 x≤−2 または x>3 の否定
− 2 < x ≤ 3

量を表す言葉の否定

「すべての実数xについて P(x) が成り立つ」の否定は、「P(x)が成り立たない実数xが少なくとも一つある」です。

逆に「P(x)を満たす実数xが存在する」の否定は、「どの実数xもP(x)を満たさない」です。

否定は補集合に対応する

条件 p を満たすもの全体を P とすると、 p ‾ を満たすもの全体は P の補集合です。

たとえば全体集合を実数全体とし、p:1<x≤4 とすると、pの範囲の外側が否定になります。

p ‾ : x ≤ 1 または x > 4

二つの条件を含む否定

例題 「x>1 かつ x≤5」の否定
x ≤ 1 または x > 5

1. x≥5 の否定

問1の答えを見る

考え方:x≥5に含まれない範囲をすべて取ると、5を含まないx<5になります。

x<5

2. −1≤x<3 の否定

問2の答えを見る

考え方:元の区間の左外側と右外側を取り、各境界を含むかも反転させます。

x<−1 または x≥3

3. 「x>0 かつ y>0」の否定

問3の答えを見る

考え方:「両方とも正」でないのは、少なくとも一方が0以下の場合です。

x≤0 または y≤0

4. 「x=1 または x=2」の否定

問4の答えを見る

考え方:「1または2」のどちらでもないため、二つの不一致を「かつ」で結びます。

x≠1 かつ x≠2

5. 「すべての整数nについてn2≥0」の否定を文で表す。

問5の答えを見る

考え方:「すべて成り立つ」の否定は、「成り立たないものが少なくとも一つある」です。

n2<0 となる整数nが少なくとも一つ存在する。

6. 「ある実数xについてx2=−1」の否定。

問6の答えを見る

考え方:「ある実数で成り立つ」の否定は、「すべての実数で成り立たない」です。

すべての実数xについてx2≠−1。

7. 「x<0 または y≥2」の否定。

問7の答えを見る

考え方:「または」の否定なので二条件をそれぞれ否定し、「かつ」で結びます。

x≥0 かつ y<2。

  • 不等号の否定では等号を含むかどうかも変わる。
  • 「かつ」の否定は「または」、「または」の否定は「かつ」。
  • 「すべて」の否定は「成り立たないものが存在する」。